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いつの世でも小さな子供たちの死は哀しいものです。様々な事情によって、この世の土を踏むことなく死んでいった子供たち。この子供たちを水子と呼んでいます。そして、このような水子は、古来より数限りがありません。
子供が生まれても貧しさ故に育てることが出来ず、間引きといって、泣く泣く親の手でその命を絶たざるを得なかった事情もありました。また当時は衛生状態が悪く、食物も十分でなかったこともあり、生きのびることが出来なかったのです。
このような哀しい子供たちのために、親たちはお地蔵さんをお祀りして、一心に亡き子を供養したのです。
「供養」とは、仏さまにものを捧げ、仏さまを敬い、おつかえすることです。形ばかりでなく心からなる行為が尊い。亡くなったものにたいする優しさだけでなく、生きているものの安らぎでもあります。当山のお地蔵さまは、頭をかたむけ子供を抱き上げた、慈愛の眼差しがありがたいと申します。
お地蔵さまの縁日は月の二十四日。当山のお地蔵さまを信奉する方々は、その日ご都合がつかない場合でも、心をおくることは可能です。当地の方角に合掌するのがいちばんですが、心にお地蔵さまのご真言(オン カカカ ビサンマエイ ソワカ)を三度唱えますと、いつしか心が穏やかに鎮まってまいります。
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